アンダーピニングによる沈下修正を経て戸建て住宅をシェアハウスにするリノベーション。

そもそもが問題山積みの戸建て物件

河川敷近くのツーバイフォーの戸建てをシェアハウスに変える工事です。

しかしこの家屋には大きな問題が山積していました。
まず河川の傍で地盤が悪い為に大きく家が傾いてしまっていること。
その不同沈下の影響もあってか、はね出しのバルコニーの持ち出し部分に大きな亀裂があり、そこから雨水が侵入して躯体を腐食させてしまっていること。
本来構造計算が必要な3階建てにも関わらず、3階を小屋裏利用として2 階建て申請して構造計算がされていないであろうこと。
それらの問題を一つ一つクリアさせてのリノベーション工事でした。

脆弱な地盤による不同沈下は地盤改良と沈下修正を同時に行うアンダーピニングという方法で対応しました。既存の基礎の下に作業者が潜り込んで、既存家屋の重量を反力として利用し、鋼管杭を支持層まで差し入れてからジャッキアップする方法です。


手前の作業者の頭の位置が1 階の床下地レベルです。
その作業者の足元の更に下に作業者が掘削工事をしているのは、以前ボーリング場であったこの場所に基礎だの鉄骨だの土管など様々な障害物を埋めていたからです。そこを粉砕して鋼管をひたすら深く入れていきます。

数十力所に鋼管を床下の支持層(この現場では地下7〜8m)まで達したら一斉に油圧ジャッキで沈下修正をします。

ジャッキアップするときは外部と縁を切っておく必要があります。写真のようにジャッキァップをして当初の位置に建物を戻すと配管のずれが目立ちます。ジャッキアップ以前はつながっていた配管です。

撤去前
撤去・交換後
撤去前
撤去・交換後

雨水・漏水及び蟻害による躯体の腐朽は想像以上でした。腐朽部分は一つ一つ確認の上撤去、薬剤処理の上交換していきます。

躯体の是正を終えたら金物補強をして断熱材を入れたのち構造計算書に記された場所に構造用面材を張っていきます。


シェアハウスとして生まれ変わる

玄関ホールを抜けてLDKに入ります。施主はシェアハウスの運営に慣れていて無駄なくカラフルに使い勝手よく小物を置いていきます。物で溢れさせないためには奥行き20センチの棚も立派に役に立ちます。

6世帯の同居を想定しています。皆と空間を共有しながらも極力廻りに気を遣わずに過ごせるスペースも考えないといけません。ダイニングテーブル奥には小上がりの畳スペース。カウンター下に足をおろして外を眺めながらくつろげる空間です。

コストも限られているため、既存利用に耐えられるものは活かします。ただこの窓は昔のサッシのイメージを引き摺ってしまうので窓の前に棚を渡し、丸鏡を中央に掛けます。外からの光をもらいつつもデザインのポイントに。

シェアハウスではキッチンや浴室、洗面は1つでは足りません。2坪程度のスペースにキッチンを造作しました。扉には丸窓を設けて廊下から覗く楽しさも演出しています。

洗面も既製品を使わずに造作で楽しく。

3階には小さなお子様が楽しめるボルタリングスペースも。

既製品の集合ポストではデザイン的に今ひとつなので施主の希望で単品のポストをまとめてみました。羽目板の奥は自転車置き場となっています。

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