鵤工舎

猛暑の中、皆さんはお盆休みをどう過ごされましたか?

私は千葉県の鋸山の中腹ほどにある日本寺を訪ねました。

そこには最近鵤工舎(いかるがこうしゃ)が建てられた薬師本殿 医王殿及び仏舎利塔があるのです。

鵤工舎とは、故西岡常一棟梁(文化財保存技術者 法隆寺の全伽藍解体大修理や薬師寺金堂などを1300年前の様式で再現)の唯一の内弟子の小川三夫棟梁が興された神社仏閣建築の設計・施工、文化財建造物の修理等を手掛ける建設会社です。

訪れたきっかけは西岡常一棟梁や小川三夫棟梁が書かれた『木のいのち木のこころ』を読んで感銘を受けた普段お付き合いのある家具屋さんが小川三夫棟梁を訪ねて行かれたことは以前聞かされていたのですが、先日その家具屋さんにお会いして日本寺の事を教えて頂いたのです。

正直言いますと、西岡・小川両棟梁に関することをここで書くにはあまりに偉大過ぎて筆が止まってしまいます。それでも蛮勇奮って私が目にした記事で驚いたことを書かせて頂きます。

小川三夫氏が弟子に認められたときに言われた事はただ一つ、刃物を研ぐことのみだったそうです。朝から晩まで毎日毎日。西岡棟梁のお考えでは極限まで研いだ刃で木を削ると木の繊維を痛めないで雨水を弾き返してしまうのですが、研ぎが十分でないと木肌が毛羽立ち、雨水が染み込んでしまい、建物も長持ちしなくなるのだといいます。

『樹齢1000年の木は1000年もたさなければならぬ・・・・。』

1000年もたせる建物をつくるにはひたすら刃を研ぐこと・・・。

そういう目でこの薬師寺本殿や仏舎利塔をみると凄さに言葉が出ませんね。

そういえば木の繊維を痛めないで切る・・・吉川英二の小説宮本武蔵にも、井上雅彦氏の劇画 バカボンドにもこの類の話は出てきますね・・・・

合理性だの効率だの働き方改革だのといった考え方とは全く異なる考え方が昔の宮大工には当たり前にあったこと、その宮大工の手掛ける仕事は世界でも類を見ないこと。

私たちの立ち位置はどこにあるべきか、考えさせられる1日でした。

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